【時代は大阪】大阪市への転入超過過去最高【東京転出超過】

大阪市の転入超過、全国最多　万博・再開発が磁力

大阪市の人口集積が一段と進んでいる。総務省が29日に発表した住民基本台帳人口移動報告によると、2020年は転入者が転出者を上回り、人口流入を示す「転入超過」が全国の市町村で最多となった。東京都心部が新型コロナウイルスの感染拡大後に「転出超過」に転じたのとは対照的だ。25年の大阪・関西万博や大型再開発などが追い風になったとみられる。ただ、コロナ禍が長期化すれば今後も人口集積や成長が続くかは見通せない。

大阪市の20年の転入超過数は1万6802人。外国人を含む現行の集計方法となった14年以降、大阪市の転入超過数は増加傾向が続き、20年は全国最多の超過数となった。大阪市が全国トップになるのは初めて。新型コロナの感染が拡大した20年4月以降でみても転入超過は計9075人に上る。

これに対し、東京23区は19年に全国トップの6万4176人の転入超過を記録した。20年は1万3034人に激減した。昨年4月以降でみると2万6032人の転出超過にあり、コロナ禍でテレワークの普及が進み、郊外への転居が増加した影響とみられる。福岡市と名古屋市の転入超過数は19年を下回り、大阪市の吸引力の根強さが際立つ形だ。

経年変化を比較できる日本人移動者のデータを分析したところ、大阪市の転入超過は20年連続。転入超過数は過去50年で最多だ。転入前の居住地をみると、大阪府を除く関西圏や東京圏、名古屋圏、九州地方など幅広いエリアから流入している。大阪市を除く大阪府全体は転出超過の状況で、人口集積は府内でも大阪市に偏っている構図だ。

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