毎日新聞2021年1月31日 16時58分(最終更新 1月31日 20時03分)
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マカオのカジノ街(本文とは関係ありません)=マカオで2019年12月17日、福岡静哉撮影
海外のカジノに客を送り込んで報酬を得るジャンケット業者「ナインアンドピクチャーズ」(大阪市)の前社長(52)=自己破産申し立て=が、中国・マカオのカジノ事業に絡んで保管されていた資金計約3400万円を持ち出していたことが、関係者への取材で明らかになった。使途は分かっていない。前社長を巡っては、このカジノに「保証金」として差し入れた1000万香港ドル(当時約1億5000万円)をバカラ賭博で使い込んだ疑いも明らかになっており、ずさんな金銭管理の実態が改めて浮き彫りになった。
ナ社はマカオなどアジア各国のカジノと契約。前社長は2014年7月以降、事業を拡大させるためナ社やマカオの現地法人の代表などとして計4億円超を資金提供者から借り受けるなどした。14年11月、うち1000万香港ドルをマカオのカジノに保証金として差し入れた。
ナ社は、このカジノのVIP専用ルームで客にバカラ賭博をさせ、客が賭けた金額に応じた報酬をカジノ側から得ていた。ジャンケット業者は客が賭博する際に必要なチップの交換・管理に加え、航空券やホテルの手配、観光、飲食などの世話を一手に担う。高額な賭け金をつぎ込む客にはこれらの代金を負担することがある。こうした客の要望などに対応するため、専用ルームでナ社の現金を保管。客がいない時期や夜間などは、マカオの事務所の金庫でも管理していた。
関係者や内部資料によると、前社長は14年12月~16年1月、15回にわたって計約230万香港ドル(同約3450万円)を持ち出した。スタッフがいる専用ルームの現金を取り出したり、事務所の金庫から持ち出したりしていた。前社長はその都度、スタッフらに申告していたという。客へのサービスに使った経費は記録されるが、持ち出された現金の使途は分かっていない。
この間、前社長はカジノに差し入れた保証金と同額分をバカラ賭博で使い込んだ疑いがある。年末年始と盆の計3回で、約300万香港ドル(同約4500万円)ずつを賭けた記録も。関係者は「現金は遊興費や別の賭博で使ったのだろうが、詳しい使途は分からない」と話している。
ナ社は国内初のジャンケット業者とされ、創業者の前社長に権限が集中していたという。ナ社の口座で多額の使途不明金があることも明らかになっており、現経営陣らは刑事告訴・告発を検討している。【田中謙吉、松本紫帆、山本康介】
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